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宝木の争奪
闇に投下される宝木を取った者は「福男」に。数千の手が一点に集まる凄まじい渦。

裸の群れが、宝木を奪い合う。── 日本三大奇祭の裸祭り。
二月の真冬の夜。ふんどし姿の男たちが、暗闇に投下される「宝木(しんぎ)」を奪い合う。日本三大奇祭に数えられる裸祭りだ。
岡山市東部、西大寺観音院が舞台。境内が真冬の夜に湯気と熱気で満ちる。
極寒の夜に裸でぶつかり合う、原初的な熱気。見どころは三つ。
闇に投下される宝木を取った者は「福男」に。数千の手が一点に集まる凄まじい渦。
ふんどし姿の男たちが境内を埋め、押し合う。立ち上る湯気が冬の夜に白く揺れる。
参加者が冷水で身を清める「垢離取り」。神事としての厳しさがここにある。
会陽を担うのは、福を求めて全国から集う参加者と、それを支える地元だ。極寒の裸で挑むのは、五百年続く福への願い。寒さも痛みも越えて宝木に手を伸ばす、その本気が祭りの正体だ。